永続化されたストレージ (Persistent Storage)とは

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永続化されたストレージ (Persistent Storage)とは?

Persistent storage(永続ストレージ)は、データを長期間保存するためのストレージのことです。データはパワーオフや再起動などをしても削除されることはなく、接続されるコンピュートノードが破損した場合でも復元可能なものです。当社のクラウドでは、Interconnected Storage、Enterprise Storage、Backup Storageがそれに該当します。

データの永続性を増すほど、冗長性を増さねばならず、データの書き込み先を複数に増やす必要があります。そのため永続化度が高いほど、書き込みに時間がかかる傾向があり、その速度と永続性は天秤に掛けられることがあります。

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一方、Ephemeral storage(一時ストレージ)は、データを一時的に保存するためのストレージを意味し、クラウドプロバイダが提供する一時的なストレージのことも示します。データは電源が切れたり、再起動されたりすると消失しますが、高速なアクセスが可能なため、別にPersistent Storageを用意し永続させるべきデータと高速アクセスが必要なデータを選別して保存して利用します。

InfiniCloudではEphemeral Storageはサービスメニューに入っておりませんが、同等な速度を持つサービスとしては、Interconnected Storage(ICS)が利用できます。ICSはPersistent Storageの一種であるため、永続させるべきデータと高速アクセスすべきデータを分けて管理する必要がありません。しかしながら一時的なデータ記憶が必要である場合は、OS内でRAMDISK等を作る必要があります。

ICS、ESB、BSBは何が違うのか?

Interconnected Storage(ICS)、Enterprise Storage Block Type(ESB)、Backup Storage Block Type(BSB)は、いずれも永続性を持つ ブロックストレージですが、その永続レベルが異なります。

Interconnected Storageは、PCI Expressに接続された「コントローラと冗長化されたNANDメモリが1つのモジュール(SSD)」になっているため、内部のNANDメモリの1つが壊れた程度では、ストレージのワーニングでて通常に動作し続けます。この間に別のブロックストレージにデータをバックアップすれば、データの保持が可能です。もちろんICSは高速性能と低レイテンシが特徴となるため、速度や負荷の大きいワークロードには最適なデバイスです。
Interconnected Storage
 
Enterprise Storage Block Type(ESB)は、よりインテリジェンスなストレージで、コントロールできるダッシュボードを持ち、複数のインスタンスに接続したりブートボリュームとして利用したり様々な利用方法が可能となります。Enterprise Storageは、Interconnected Storageにも利用されているPCI Express接続のSSDモジュールを複数装填しており、これら全体がダブルパリティによる冗長化によって保護されています。SSDモジュール自体が内部で冗長化されていますが、内部コントローラ毎、破損された場合でも、最大2つまではデータが保護されます。このとき、自動的にスペアSSDが充当されてResilver処理(再びダブルパリティの状態に戻すこと)が行われ、健全な状態になるべく素早く戻るように設計されています。
Enterprise Storage
 
Backup Storageは、PCI Express接続されたRAIDコントローラの先にハードディスク(HDD)とキャッシュ用のSSDが束ねられた容量特化型のストレージです。ダブルパリティにより最大2つのHDDが破損した場合でもデータは保護されます。HDDが破損場合、スペアHDDが速やかに充当されてRebuild処理(再びダブルパリティの状態に戻すこと)が行われ、健全な状態になるべく素早く戻るように設計されておりますが、PCI Express接続されたコントローラ毎破損した場合は、データが失わることがあります。
Backup Storage
 

ハードディスクは可動部分があるため寿命があり、SSDもNANDフラッシュの特性上寿命があるため、Persistent Storageであってもいずれはデータが破損する可能性があります。最近の統計上、HDDに比べてEnterprise SSDは極めて壊れにくい特徴を持っていますが、どの方式であったとしても、完全はないため、異拠点、異筐体へのレプリケーションなど、かならずデータのリカバリプランは考えておく必要があります。

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