(ミッションクリティカル向け)広域災害でも落したくないシステムを関東・関西で同時稼働させる方法

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ロードバランサーで負荷分散し、安定したクラウド環境を構築するには

Best Practice

ミッションクリティカル、BCPに最適!
絶対、落したくないシステムを、
関東・関西で、同時に稼働させる為には?

GSLBと、Inter Regional Fabric(IRF)を用いることで、サービスダウンを避け、アクセスを分散し、災害対策を意識した究極のクラウド環境の分散構築

導入のご相談

 
課題
  • ミッションクリティカルのシステムで、Internetから接続されて運用される。
  • 大規模災害により関東のクラウドやデータセンターがダウンした場合でも、関西系でシステムを稼働させる必要がある。
 
解決策
  1. High Response Private Cloud(HRPC)を、関東、関西リージョンで導入
    • Dedicated / Guaranteedで利用するリソースサイズは必要な分、用意
  2. Inter Regional Fabricを関東、関西リージョンで導入
    • 接続帯域は、関東・関西のシステム同期の量により決定。
    • Dedicated / Sharedは、最低接続帯域が必要(Dedicated)かどうかで選択
  3. Internet Connectivityを関東、関西リージョンで導入。
    • 関東と関西のIXへ接続できるInternetを、それぞれのリージョンから帯域保証型ネットワークで利用する。
  4. 関東・関西リージョンで広域負荷分散GSLB機能搭載のロードバランサを準備(Active/Active構成)
    • HRPC動作確認済みGSLBは、FortiADC VMシリーズ等があります。
    • (※)Open Source実装ではgdnsd等があります。
 
効果
  • 関東リージョン、関西リージョンのどちらがダウンしても問題の無い安定した環境の実現。
  • ディザスタリカバリ、BCPを鑑みたシステムの要となることができた。
  • 複雑な分散手法に比べ、シンプルでコストダウンに繋がった。
  • 常に、東西両系で動くため、定期的な切替による定期試験工数を減らす事ができ、テストにおける人的リソースの大きな削減に繋がった。
 

オプショナル(技術的バリエーション例)

  • L3のネットワークルーティングや、UTMを用いたIDP、AntiVirusなどを行いたい場合
    • FortiGate VMシリーズをHRPC上に東西に設置する
    • 東西のFortiGate VMをVRRPで冗長する
  • オンプレミス環境(DCや社屋)と接続したい場合
    • Private Connectを用いてL2接続を行う
  • パブリッククラウドと連携する場合
    • Public Cloud LinkでL3接続する
  • データストレージの東西レプリケーション
    • Enterprise Storageのレプリケーション機能を利用する
    • Backup Storageのレプリケーション機能を利用する
  • データバックアップ。仮想マシンのバックアップや、データのバックアップ
    • BackupStorageを利用する
  • データベース
    • HRPC上でマスター・スレーブ型レプリケーション

システムイメージ

システムイメージ

技術的なコンセプト

上記クラウド基盤にデプロイされる論理図
GSLB.png

  • 基本的に、東西の両方のシステムを「Active - Active」で動作させることにより、イザという時に「切り替え」で困らないような設計とした。
    • 待機系システムへの切替は、一般に「切替が上手く行かない」など問題が伴うことも多いが、通常時より両系で動作するため、
    • 特に大規模災害時は、社内のオペレータ、エンジニアの稼働が十分に出来なくなる可能性を加味し、常に両系を使うようにした。
  • 関東リージョンは東京のIX(インターネットエクスチェンジ)へ、関西リージョンは大阪のIXに接続。
    • 広域大規模障害では、インターネットの広域ダウンが想定されるため、東西、個別のリージョンで、インターネットの接続性を担保することができる可用性を確保した。
    • 平常時は、東日本からは東京のIXを経由してシステムに接続、西日本から関西のIXを経由してシステムに接続することで、より分散性を上げることができる(要:ジオロケーションデータベース)
  • GSLBによる広域負荷分散
    • ルックアップ時は、接続する端末が東日本エリアの場合は関東リージョンのグローバルアドレスを優先的に回答、西日本の場合は関西リージョンのグローバルアドレスを優先して応答する。
    • GSLBは、SLBを兼ねており、下部にあるリアルサーバ(アプリケーションサーバ、AppServ)が全て応答しない場合はルックアップ応答しないように設計。
    • ロードバランサー、アプリケーションサーバがまるごとダウンしても、もう片側からアクセスする事が可能。
  • SLBによる負荷分散
    • 関東リージョンでは関東側のアプリケーションサーバへ、関西リージョンでは関西側のアプリケーションサーバへ接続
      • なお、異拠点(反対)側の優先順位を下げて登録することで、アプリケーションサーバダウンの時もSLBまで動作させる実装も可能(クロス接続)
  • DBMSの同期
    • DBMSはDBMSの持つ機能で非同期型レプリケーション
      • OracleDBならActive Data Guardによる同期を行う。
    • DBMSのマルチマスタ型はトラブルが多いので、マスタをプライマリ側にのみ設定。疎通が不能になるとセカンダリが昇格する。
  • File Serverの同期
    • DBMSにデータが入らないファイル系のシステムは、Enterprise StorageのFS機能を利用し、NFSでファイルサーバを実現。
    • Enterprise Storageのレプリケーション機能で、関西側はデータをレプリカに設定。マスターは常に関東。(ただし異常時は昇格作業が必要)
  • Inter Regional Fabric(IRF)による東西のL2接続
    • 東西はIRFによるL2接続により、DBMSやファイルサーバの同期、アプリケーションサーバのセッション同期を容易に。
    • 有事の時には、地域を越えた仮想マシンのマイグレーションが可能。

料金概算

サービス名 項目 単価個数月額
HighResponse Private Cloud 6Gt

 48Threads/512GBタイプ
最低利用期間3年(関東リージョン)
 278,300円3834,900円
HighResponse Private Cloud 6Gt

 48Threads/512GBタイプ
最低利用期間3年(関西リージョン)
  220,000円3660,000 円
InterConnected StorageNVMe  7.68TB
7.68TBx2台を、4つのコンピュートノードへ。合計61TB
20,900円8167,200円
InterConnected StorageNVMe  3.84TB12,100円224,200円
Backup Storage  Dedicated  80TB
最低利用期間3年(関東リージョン)
456,500 円1456,500 円
Internet Connectivity  帯域保証型1Gbps(関東IX)704,000円 1704,000円
Internet Connectivity  帯域保証型250Mbps(関西IX) 176,000円 1176,000円
グローバルIPアドレス /27 関東用・関西用27,500円255,000円
PublicCloud Link  200Mbps
※別途、パブリッククラウド側のプライベート接続サービスの申し込みが必須
45,100円145,100円
Private Connect
 NTTフレッツ光ネクストタイプ最大1Gbps22,000円122,000円
合計   3,144,900円

※表示価格は全て税込です。

利用サービス

ハイレスポンス プライベートクラウド

最新世代の高速なCPU High Response Private Cloud 6Gt (HRPC)

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Interconnected Storage

高速NVMeSSDストレージInterconnected Storage

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Backup Storage

容量特化型ストレージBackup Storage

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Internet Connectivity

全てのリージョンからインターネットへ Internet Connectivity

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Public Cloud Link

パブリッククラウドと接続 Public Cloud Link

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Private Connect

クラウドと閉域網接続 Private Connect

詳細を見る

 

システム層でのレイヤー管理権限

※移設作業に伴うSI作業も、当社パートナー企業が対応可能です。詳細はご相談ください。 

項目 内容設計/企画構築運用監視保守
ワークフロー ソフトウェアをビジネスに併せてカスタマイズ、設定お客様お客様 /
InfiniCloud *1
お客様
アプリケーションアプリケーションソフトの開発やライセンス  お客様お客様 /
InfiniCloud *2
お客様
デプロイメントアプリケーションの設置  お客様 / InfiniCloud *3
ミドルウェアWEBサーバ、ftp、アプリケーションサーバ、DB等  InfiniCloud
仮想OS上 仮想OS(Linux,Windows,Solaris等)、OSユーザランドInfiniCloud
ハイパーバイザー 仮想化層、ホストOSInfiniCloud
ハード サーバー機材等InfiniCloud
ネットワーク サーバーサイドネットワークInfiniCloud
ファシリティ コネクティビティ、ラック、電源設備当社提携DC
  • 設計/企画 要件、企画、仕様を定義し、正しく機能するような構造を作成する業務
  • 構築 実際の構築にくわえて、正しく動作する仕組を作る業務
  • 運用 問題が起きないように正しく動かす業務
  • 監視 問題を発見し、通知する業務
  • 保守 問題を追及し、修正する業務
  • *1 ご希望により監視ポイントの提供があれば設定は可能。例:DBの値の定期的なSELECTをして集計、監視トリガーをあげる
  • *2 ご希望により監視ポイントの提供があれば設定は可能。例:アプリケーションログによる監視トリガー
  • *3 ご希望によりデプロイスキーム作成の補助をする事も可能です。 例:WebApplication Serverへの特殊権限でのデプロイ

 

Private CloudPrivate Cloud
StorageStorage
NetworkNetwork