Solaris SPARC Private Cloud(SSPC)は、Enterprise Storage、Backup Storage、Inter Connected Storageに対応し、オンプレミスと変わらない可用性や、速度の追求が可能です。
- 2系統のEnterprise Storage(ES)で冗長する方法
- 1系統のEnterprise Storage(ES)と、
1系統のBackup Storage(BS)でレプリケーションする方法 - 2系統のEnterprise Storage(ES)で冗長、
1系統のBackup Storage(BS)でレプリケーションする方法 - Interconnected Storage(ICS)を使ったストレージ
2系統のEnterprise Storage(ES)で冗長する方法
2系統のESを組み合わせることにより、冗長構成が可能です。これにより片方のESに障害が起きた場合でも、動作を続ける事が可能となります。
Active-ActiveのHA構成
ESのActive-Activeの最大のメリットは、データの一貫性(Consistency)です。
たとえば、どちらか一つのESがハードウェア障害を起こした場合でも、もう一系統のESが存在することで、動作しつづけることができます。障害復旧後は、ZFSのResilver機能により、片側ダウンからの差分のみを同期させて、元の状態にもどすことができます。
マルチレイヤでの冗長化
ESB自体の冗長利用は、マルチレイヤで組み合わされた「データ冗長化」を意味します。
- ESBを2系統束ねることによる、ES自体の冗長化
- ES内のNVMe SSDを用いたRAID-Z2(Double Parity)による冗長化
- NVMe SSD内部のNANDシリコンレベルの冗長化(RAIN)
この手法はデータの冗長度が極めて高いながらも、可用性の担保がされていることが特徴です。
LDOMインスタンス内のデザインパターン
ESはブロックストレージ切り出すことができ(これをESBという)、SSPCではLDOMインスタンスをESBからブートさせることが可能です。
LDOMインスタンス内のOS(Solaris11.4、あるいはSolaris10)内では、ZFSで束ねられたiSCSIの2つのストレージからブートされているように見えており、これらが2つがミラーリングされています。
1系統のEnterprise Storage(ES)と、
1系統のBackup Storage(BS)でレプリケーションする方法
Active - Stand-byの冗長構成
1系統のESと、1系統のBSを組み合わせることによる冗長方式は、Fail Overすることができないため、ESの障害には弱い問題がありますが、データはRPOの範囲で保持することが可能です。
ダウンタイムとリカバリ
ESにハード障害が起きると、ESに収容するLDOMインスタンスは全停止します。ただし、ESは内部で、
- ES内のNVMe SSDを用いたRAID-Z2(Double Parity)による冗長化
- NVMe SSD内部のNANDシリコンレベルの冗長化(RAIN)
が行われているため、ESが復旧されると、サービスの再開が可能になります。
BSへは、RPOの頻度でバックアップが行われ、ESのデータ復旧が不可能な事象が発生する場合には、BSからデータをRTOの時間で復元ができるように設計されます。
またBSは、異なる拠点に設置することも可能です。
そのため、RTOは同一拠点では短く、異拠点では長くなる特徴があります。
LDOMインスタンス内のデザインパターン
ESはブロックストレージ切り出すことができ(これをESBという)、SSPCではLDOMインスタンスをESBからブートさせることが可能です。
LDOMインスタンス内のOS(Solaris11.4、あるいはSolaris10)内では、ZFSで束ねられたiSCSIのストレージからブートされているように見えています。
2系統のEnterprise Storage(ES)で冗長、
1系統のBackup Storage(BS)でレプリケーションする方法
2系統のESを組み合わせることにより、冗長構成が可能です。これにより片方のESに障害が起きた場合でも、動作を続ける事が可能となります。
また、大震災などでリージョン障害が起きた場合でも、別拠点のBSでデータを保持することが可能です。
Active-ActiveのHA構成に、Stand-byを追加する
基本的にはActive-ActiveのHA構成の特徴をそのまま持ち、可用性が極めて高い設計思想となっています。
これに加えて、異なるリージョンをInter Regional Fabricで接続し、レプリケーションを組み合わせていることが特徴です。
この設計では、Active - Activeの設計思想をそのまま流用しつつ、異なるリージョンにもデータを残したい時に行われます。
クラウドが設置されているデータセンターが、壊滅するクラスの障害が起きた場合でも、データだけは異なるリージョンに残すことができるできるメリットがあります。
通常、クラウドが設置されているデータセンターは、地震にも強い、免震、ないしは耐震の構造を持ちますが、想定外の大規模災害に加え、ミサイル攻撃や、テロなどによる占拠があった場合、データの救出が不可能になる可能性もあります。このデザインパターンはこうした事象にも耐えられるように設計されます。
参考≫ テクニカルノート/InfiniCloudのデータセンターはどこにありますか?
Interconnected Storage(ICS)を使ったストレージ
ICSは、高反応速度と高可用性を兼ね備えたブロックストレージです。
エフェメラルディスクのような高反応速度を持ちながら、下記の冗長度を持った永続ストレージであり、高い性能を誇ります。
- NVMe SSD内部のNANDシリコンレベルの冗長化(RAIN)- NVMe SSD内部のNANDシリコンレベルの冗長化(RAIN)
ICSは、次の2つの方法で、サービスが可能です
- ダイレクトモード
- LDOMインスタンス内にPCI Expressとして直接接続
- 1つのICSにつき、1つのLDOMにマッピングされます。
- 仮想ディスクモード
- LDOMインスタンス内からは物理ディスクのように見える
- クラウド基盤にPCI Express接続し、仮想ディスク単位で切り出し。
- 1つのICSを複数のLDOMにマッピングすることができるが、仮想化コスト分の速度低下が発生します。
ICSの内容を確実にバックアップアするためには、LDOMインスタンス内で取得する必要があります。