サーバー構成
HCI(Hyper Converged Infrastructure)タイプ(KVM)
HCIは、オンプレミス環境のVMwareやNutanixの移行に最適なソリューションです。それぞれの同容量に同じ容量のInterConnected Storageを搭載して利用します。
- 高可用性(HA)機能
- HCIは優れた高可用性機能を備えています。コンピュートノードの1つが停止しても、HA機能により残りのノードで仮想マシンが自動的に起動します。これにより、システムの可用性と信頼性が大幅に向上します。
- 統合されたストレージ機能
- HCIはストレージ機能を内包しているため、コンピュートノードの耐障害性とストレージの耐障害性を別々に考慮する必要がありません。これにより、システム設計と管理が大幅に簡素化されます。
- コスト効率と性能のバランス
- HCIで使用されるストレージは一般的にソフトウェア定義ストレージ(SDS)であり、比較的コスト効率が良いことが特徴です。ただし、冗長性確保のため実効容量は物理容量の約1/3になる点に注意が必要です。また、耐障害性は高いものの、書き込み速度がやや遅い傾向があります。
- スケーラビリティ
- HCIの特徴として、CPU、メモリ、ストレージがセットで増設される点が挙げられます。一台づつ増強することも可能で、システムの拡張が容易になり、ビジネスの成長に合わせて柔軟にインフラを拡張できます。
HCIは、シンプルな構成、高い可用性、統合された機能、そして柔軟なスケーラビリティを提供し、多くの企業にとって魅力的なインフラストラクチャソリューションとなっています。
データはクォーラム(定足数)も含めて3つに分散して持つ事になりますが、これはバックアップではない為、消えてはいけないデータを保存する場合は、別途、仮想マシンインスタンスのバックアップを取得する必要があります。
3-Tierタイプ 2xES(Xen/KVM)
3-Tierタイプは、高い安定性と性能を求める企業に最適なソリューションです。Enterprise Storage 6Gtとあわせて利用します。
- 優れた移行性能
- オンプレミスのVMwareやNutanixからの移行に適しており、ストレージの安定性が高いトポロジーを提供します。
- 高可用性(HA)機能
- コンピュートノードの1つが停止しても、HA機能により残りのノードで仮想マシンが自動的に起動します。これにより、システムの可用性と信頼性が大幅に向上します。
- 高性能ストレージアクセス
- 専用ストレージにNVMeバスを採用し、超高速かつ安定したストレージアクセスを実現します。さらに、Enterprise Storage(Double Parity)を完全冗長(Mirror)構成で実装することで、データの堅牢性を高めています。
- 優れた耐障害性とデータ保護
- 仮想ディスク毎に主系-主系設定をすることにより、障害時の切り替えに関する問題を回避することができます。これにより、高い耐障害性とデータ堅牢性を実現し、高速IOを維持します。
- 柔軟なレプリケーション機能
- 仮想ディスク単位でミラーリングをしない場合、ストレージ層でのレプリケーションが可能です。この場合、バックアップを兼ねたデータ保護とディザスタリカバリの強化に貢献します。
- 仮想化プラットフォームの選択肢
- KVMなど、幅広い仮想化プラットフォームに対応可能です。
- コストと信頼性のバランス
- 3-Tierタイプは、高い信頼性と性能を重視する企業向けに設計されています。十分なコストをかけて堅牢性を確保したい顧客に適しています。
3-Tierタイプは、高い安定性、性能、そして堅牢性を求める企業にとって、理想的なソリューションとなります。特に、ミッションクリティカルな業務や大規模なデータ処理を行う環境において、その真価を発揮します。
主系-主系の設定をする場合は、別途バックアップを取得する必要があります。
IaRタイプ: Independent and Replication
IaRタイプ(Independent and Replication)の構成は、Internetサービスにおいて高性能と高可用性を両立させることができるソリューションです。
インターネットに露出している情報サイト、ポータルサイト、ゲームサービスなどでは最大のアクセス量を読むことが中々難しく、ピークと平常では、10倍どころか、100倍、1000倍のアクセス量の違いがあることがあります。このリクエストを捌くために、IaRを用います。
抜本的に回避する為には、ストレージに対してIOを集約させないIndependent(独立)型である必要があります。
ただし、Independent型ではホスト障害によってデータをも失う恐れがあるため、仮想マシンインスタンスの定期的なReplicationを行うことで、ホスト障害時に迅速に復旧が行えるようにし、「バックアップとしても成立させる」のがIaR形式の特徴となります。
- 幅広い用途に対応
- インターネットに公開するウェブサーバから、高速性能が必要なデータベース、アプリケーションサーバまで、幅広い用途に最適化されています。
- 独立性の高いコンピュートノード
- 各コンピュートノードの独立性を確保することで、特定のインスタンス(仮想サーバ)に高負荷がかかった場合でも、他のインスタンスへの影響を最小限に抑える設計となっています。
- 超高速ストレージ性能
- ICSを採用し、極めて高速なIO性能を実現しています。ICS自体がRAIN(RAIDのNAND版)で冗長化されており、高い信頼性も確保しています。
- 高度なデータ保護機能
- BSやES(バックアップストレージやエンタープライズストレージ)に対して定期的にレプリケーションを行うことで、万一のデータ破損時も別マシンのレプリカから迅速に起動が可能です。
- RPO(Recovery Point Objective)に基づいて別ストレージにデータを逐次バックアップするため、物理障害にも論理障害にも対応可能です。
- 高い耐障害性
- RAINによるデータ保護により、NANDセルの障害に強い設計となっています。
- PCIeバスの信号補正機能により、安定した通信を実現しています。
- HRPC筐体の可動部分はファンのみとすることで、機械的故障のリスクを最小限に抑えています。
IaRタイプは、高性能、高可用性、そしてバックアップを兼ねたレプリケーションによるデータ保護機能を兼ね備えたソリューションとして、ミッションクリティカルな業務システムや高負荷環境に最適です。
BSやESへのレプリケーション(Xen)
Xenでは、Backup Storageや、Enterprise Storageを用意することで、バックエンドにレプリケーションを取得することが可能です。
障害時は3-Tier型のストレージシングル構成と同じになり、ESを用いた場合は、ICSに戻すまでの時間も高速動作し、BSを用いた場合はICSに戻すまでの時間、応答速度が大きく劣化します。
- 迅速な復旧と高可用性
- HRPC 6Gf+BS/ES 6Gtの構成では、BSやESから直接起動し稼働しながらICSにデータを書き戻すため、RTO(Recovery Time Objective)が限りなく0に近づきます。
別ホスト、別拠点へのレプリケーション(Xen/KVM)
レプリカを、レプリケーション先から起動することができ、RTO(Recovery Time Objective)が限りなく0に近づけることができます。
- KVMモデル
- 同一VDC(仮想データセンター)の別ホストへのレプリケーションが可能。障害時に別ホストからレプリカの起動が可能です(別VDCへはレプリケーションできません)。
- HCIタイプと組み合わせることはできません。
- Xenモデル
- 同一プール(仮想データセンター)と、別プール、それぞれにレプリケーションが可能。
- 障害時には別ホストからの起動や、別プールからの起動が可能です。
- BSや、ESへのレプリケーションと組み合わせることが可能です。
- 別リージョンへのレプリケーションが可能。IRFを組み合わせることにより、別拠点のHRPC環境で起動することができます。ディザスタリカバリに利用する事が可能です。
≫ デザインパターン/IaR(Independent and Replication)、高いIOを処理するストレージ構成