有効な利用方法の例
有効な利用方法の例
ここでは、初心者向けに、InfiniCloud AI(Shiraito)を利用する前に知っておくべきことを記載しています。
質問ごとにスレッドを分ける

InfiniCloud AIはスレッド毎に、会話を覚えています。
話題が変わるときは新しいスレッドを作成し、スレッド毎に話題を分けるのがうまく利用する特徴です。
スレッドを作るときには下のボタンを押してください。
また、会話が長すぎる場合、人間と同じように、過去のことに関しては、徐々に記憶が曖昧になっていき、いずれは忘れてしまいます。これはLLMが短期記憶で文脈を追っているためです。
この「短期記憶」の記憶量に関しては、モデルによって異なます。たとえば、GPT-OSSをベースにしたものであると、およそ128kトークン(単語)です。利用しているトークン数は会話の途中、チャット欄のすぐ上に表示されていくことがあります。
スレッドが切り替わる場合、これらは常に新しい話題となるため、利用トークン数がリセットして開始され、他のスレッドの話題を忘れています。
状況に応じてスレッドを切っていくことが、InfiniCloud AIを上手く使う特徴となります。
Private AIなので行っても良いこと
パブリックのAIと異なり、下記のことは行っても構いません。しかしご利用組織の情シスのポリシーによって異なる可能性があります。その場合、ここに記載されている内容ではなく、各組織の情シスの用意したポリシーに従ってください。
機密情報・個人情報の扱い
InfiniCloud AIは、一般に「組織毎」の知能であるため、機密情報の入力を行っても、問題はありません。
パブリックAIで特に入力を避けるべき情報:
- 本人が特定される情報(氏名+住所+電話番号 等)
- 健康状態・病歴・給与・人事評価などのセンシティブ情報
- 公表前の経営情報(M&A、提携、財務情報 等)
- 契約により第三者への提供が禁じられている情報
このような内容であったとしても、InfiniCloud AIでは利用組織以外に情報が出ることはありません。
また、あなたが利用者である以上、あなたとInfiniCloud AIとのチャット内容が学習に使われることはありません。
チャット情報はどのように保存されていますか?
ゲストモードでチャットした内容は、あなたのブラウザ内に保存されています。そのブラウザが他の人も使う場合、かならずスレッドを削除することをお薦めします。
ログインしている場合、チャット情報は暗号化して保存されています。基本的な会話ログは全て「あなたのログイン時のパスワード」によって鍵が展開、セッション持続時間に応じて鍵はメモリに保存されています。この鍵を利用することで、会話記録をデコードしています。
しかし、パスワードをわすれてログインができなくなると、パスワードリマインダーによりログインはできるようになりますが、会話の復元キーも紛失している場合、会話ログを一切、復元することはできません。
管理者がセキュリティレベルを下げることにより、復元キーを複数作り、会話ログをサーバに保存することもできます。この場合、会話の復元キーをなくしても、記録された会話は残ります。しかしこの場合の運用では、サーバ管理者の特権により、会話の復元はできてしまうことに注意は必要です。
著作権・コンプライアンスに関する扱い
一般に、パブリックAIの会話プロンプトに、外部コンテンツを入力したり、その結果を再配布する際には、著作権・利用規約の制約がそのまま適用されます。しかし、Private AIであるInfiniCloud AIの場合、「私的利用」にもあたるため、これに関しては明確ではないと考えられます。
注意例:
- 書籍・雑誌・有料記事の全文を貼り付ける
- 他社サービス内の情報(ログイン後画面)を丸ごと入力する
- 外部コンテンツをAIに要約させて社外配布する
これは、ファイルサーバへの保存と似ておりますが、これを用いて生まれた文章などを公開する場合は、著作権法の違反になりうるため、十分な注意が必要です。
たとえば、紙と鉛筆を用いることで、著作権に違反する作品を作ることもできます。しかし、紙と鉛筆自体は道具です。Private AIを用いてできあがる作品も、著作権に違反する場合があります。
InfiniCloud AIを経由したとしても、著作権や契約の拘束力は消えません。ルール、および著作権法に沿った利用をする必要があるでしょう。
注意した方がよいこと
「相談相手」であって「絶対の正解」ではない
InfiniCloud AIは、大量の文章データをもとに「もっともらしい回答」を生成する仕組みであり、「事実を保証する装置」ではありません。
- 回答内容は常に100%正しいとは限りません。
- 特に、数値・日付・固有名詞・最新の社内情報は誤りが混ざる可能性があります。
- Shiraitoの回答はあくまで、たたき台(ドラフト)、検討の材料、参考情報として利用しましょう
重要な判断(契約・法務・財務・医療など)の最終決定は、必ず人間が原本資料や確かな情報源を確認し、責任を持って判断する必要があります。

InfiniCloud AIで「知能ドメイン」を利用する場合、上記のようにReference:に、参照ページが表示されることがあります。
この内容は、会話のときにAIが参照した情報となっているため、内容によっては、これらの内容を確認した上で、他にも関連するページがないかどうかなど、確認してみるのも手です。
幻覚(ハルシネーション):自信満々の誤情報に注意してください
InfiniCloud AIは、知らない質問に対しても「それっぽい回答」を生成してしまうことがあります。これを**幻覚(ハルシネーション)**と呼びます。
よく見られる例:
- 実在しないドキュメント名・URLの提示
- 法律条文や規程の誤引用
- 架空の仕様や手順の記述
- 本物に似ているが微妙に違う要約
対処方法:
- 重要情報は必ず元資料(社内規程・マニュアル・契約書等)と照合してください
- 「出典を示して」と依頼し、内容を裏取りする習慣を持つ
- 疑わしい箇所は担当部署に確認する
InfiniCloud AIの場合、ランゲージモデルを交換することができ、モデルが異なると性格も異なります。
モデルによっては、自信満々に答えていても、全く違うことがあります。AIに回答内容は、すべてを鵜呑みにしないようご注意ください。
最新情報は常に正しいとは限りません(時間情報に注意)
InfiniCloud AIが持つ一般知識は、管理者や、InfiniCloud AIの教育者(チューター)が教えた時点の学習結果に留まっています。
InfiniCloud AIは、パブリックなAIと異なり、これらを教育者(チューター)が教えることができ、教えた社内ドキュメントから最新情報を取得できますが、まだ教えていない情報は参照できません。
注意ポイント:
- 最新の社内ルール・組織変更・商品情報は、必ず公式システムで確認
- InfiniCloud AIが出す情報の日付・バージョンを明示してもらうと安全
- 「この情報はいつ時点?」と確認する習慣を持つ
InfiniCloud AIは「今この瞬間の事実」を全て知っているわけではありません。
無自覚なバイアス(偏り)と不適切な表現への注意
InfiniCloud AIは、利用しているベースのランゲージモデル毎の基本的な学習データの影響を受け、無自覚なバイアス(偏見)が混ざる可能性があります。
例
- 性別・年齢・国籍に基づくステレオタイプ
- 丁寧だが不適切・攻撃的な表現
- 評価・判断を過度に単純化した文章
対策
- 社外公開文書として使用する場合は、必ず人間が言い回しを調整してください
- 不適切な表現が出た場合は、そのまま使用しない
- 機械的に判断を丸投げしないこと
パブリックなAIと異なり、教育者(Tutor)によってある程度の教育が可能です。しかし、InfiniCloud AIの文章はあくまで「下書き」。最終表現を調整するのは人間の役割だと考えてください。
良い質問(プロンプト)の書き方
InfiniCloud AIは、前提条件・目的が具体的なほど的確に回答します。
良い例
- 「経営者向けに、A社の提案書の要点を300文字以内でまとめてください」
- 「初心者向けに、AIモデルの仕組みを図解テイストで説明してください」
- 「トーンは丁寧、読者はお客様、目的は謝罪です」
悪い例
- 「いい感じにまとめて」
- 「なんか説明して」
- 「文章作って」
コツ
- 誰に向けた文章か(対象読者)
- 何のための文章か(目的)
- 長さ・形式(箇条書き・報告書風など)
を明記すると、精度が大幅に向上します。
禁止用途(利用してはいけない分野)
InfiniCloud AIは、Private AIであるため、かなりの機微な情報を覚えさせることができ、特定分野に特化することにより、パブリックなAIとは比較にならないほど、知識を蓄えます。しかし、所詮は「業務補助ツール」であり、特に、以下の分野の最終判断には、様々なルール上、使うことはできません。
- 医療行為・診断
- 投資判断・取引判断
- 法的判断(契約可否、法解釈など)
- 重大な人事決定
- ハラスメント・攻撃目的の文章作成
- 社外に影響する重要決定の根拠とする行為
あくまで補助や課題抽出として考え、最終的には必ず「専門部署」が判断してください。
困ったときの相談先
InfiniCloud AIの利用に関して不明点や問題がある場合、以下の担当が相談先となります。
- システム障害・技術的な問題:サーバ管理者 / 情シス。クラウドプロバイダなど。
- 使い方・プロンプト相談:Tutor、AI活用推進チーム
- セキュリティ・入力可能情報の判断:情報セキュリティ担当
- 著作権・法務に関する相談:法務担当
提供される形態によっては「入力してよいかどうか」が制限されることがあります。これらは社内の情シスなどと相談しておきましょう。