仮想マシン(LDOMインスタンス)の新規作成
Solaris SPARC Private Cloud(SSPC)上で、仮想マシン(LDOMインスタンス)の作成、更新、削除は下記の様に申請します。
LDOMインスタンスはGlobal Zoneとなるため、Kernel Zone、Native Zone、Branded Zoneなどを仮想マシンの中で様々な方法で作成することが可能です。
#contents(): { "base" : 指定されたデザイン名のファイルが存在しません。 }
LDOMの初期割当
標準では下記のようなリソース割当で出荷されます。
制御ドメインはダッシュボード上では「primary」と表示され、2Core、約32GBのメモリが利用されています。このリソースはユーザが利用するゲストドメインとしては利用することはできず、クラウドの管理に使われています。
Guest Domainは、Solaris 11.4 CPU(Critical Patch Unit)最新のバージョンになり出荷されます。このGuest Domainの中に下記のOSバージョンのZoneを作成する事が可能です。
- Solaris 10
- Solaris 11内のBranded Zone(Native Zone)としてインストール
- Solaris 11.4
- Solaris 11.4のNative Zoneとしてインストールするか、Kernel Zoneとしてインストール。
- Solaris 11.2〜11.3
- Kernel Zoneとしてインストール
Native ZoneはContainerであり、仮想化による速度劣化がほぼ発生しないため、ほぼハードウェアのネイティブの速度で動作すると考えても問題はありません。
Kernel Zoneは、CPU仮想化も行われますが、実際にはType II Hypervisor ではなく、内部的にはLDOM層で隔離されたType I Hypervisorとなっており、仮想化による速度劣化がほぼ発生しません。
LDOMインスタンスの新規作成
新規作成可能なOSバージョンは、モデルによって異なります。
SSPCモデル名 | Solaris 10モデル | Solaris11モデル | |
---|---|---|---|
LDOMインスタンス Global Zone | Solaris 10(1/13)最終版+最新CPU | 提供可 | - |
Solaris 11.4最新CPU | 提供可 | 提供可 |
最初のLDOMであるGuest Domainが、CPUとメモリを全て割りあてしているため、初期出荷時のLDOMのサイズを小さくし、新たなLDOMを作成することになります。初期割当のGuest DomainのCPUとメモリに空きがある場合、新しいDomainの作成は動的(起動中)に行うことができます。
このLDOMによる分割は、メモリなどの厳密な切り分けが必要な場合行うと良いでしょう。
申請
インスタンス作成には下記の内容を添えて申請が必要です
OSバージョン | Solaris 11.4最新CPU / Solaris 10(1/13)最終版+最新CPU ※どちらかを指定します。Solaris 11.4でもSolaris10でも最新版のパッチが当たった状態でデプロイされます。 |
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CPUコア数 | 1コア単位で指定します。 ※1コア=8スレッド。 |
メモリ数 | GB単位で指定します。 8GB以上を設定が必要です。 |
ホストサーバ | 割り充てられたホストサーバから選んで指定します。 |
ストレージサービス | 割り充てするストレージサービス(ESB/ICS)を指定します。 ESBを利用する場合事前にEnterprise Storage(ES)、またはInter Connected Storage(ICS)の準備が必要です。ESからはBlock Storage(ESB)を作成しておき、ESとLDOMインスタンスのストレージ接続の為のVNS(ストレージエリアネットワークとして利用する)を、準備しておき、当該LDOMインスタンスが利用するIPアドレスを採番する必要があります。 またVNSのセグメント空間にあるESのIPアドレス、iqn名、luname、Serialなどの指定しておく必要があります。HA構成で使う場合は、2つのESからそれぞれ同サイズのESBの用意が必要です。 ICSを利用する場合
|
ストレージ容量 | ストレージ容量をGB単位で指定します。 ※OSのインストールは最低でも30GB以上が必要です。 |
接続先ネットワーク(VNS) | 仮想ネットワークインタフェイスを接続するVirtual Network Switch(VNS)を指定します。ESBを接続するVNSがある場合、そのVNSでログインの後、LDOMインスタンス内にてVLAN機能(dladm create-vlan、dladm create-vnic)を利用し、IPの割当をしてください。 |
IPアドレス | このLDOMインスタンスが利用するIPアドレスを指定します。ESBを利用する場合、ESBと同一セグメントの必要があります。 ※上記VNSで利用しているネットワークセグメント内で、未使用のものを採番する必要があります。 |
起動 | 作成後、LDOMインスタンスを起動させるかどうか?起動させない場合、別途起動申請が必要です。 |
作成完了〜インスタンスの起動まで
準備ができると、ダッシュボードにはLDOMインスタンスが作成され、下記の情報が送付されます。LDOMインスタンスの作成申請で、起動を選んだ場合、起動した状態で引き渡しが行われます。
IPアドレス | 上記で設定されたもの |
---|---|
管理者アカウント | sshで初期ログインするためのシステムアカウント名です。 ※sudoや、pfexecでroot権限を得ることが可能なロールをもちます。 |
管理者パスワード | ランダムで作られたパスワードが発効されます。 ※管理者アカウント名は、新規作成時に指示されたアカウントです。ログイン後、書き換えてください |
初期はSSHのパスワード認証が可能となっています。ログインを行い、利用開始してください。
移設の場合
システムをオンプレミスシステムから移設する場合も、最初にLDOMインスタンスを新規作成し、LDOMインスタンスの中でKernel Zone、Native Zone、Branded Zoneのいずれかを作成する必要があります。
移設についてはサポート情報/マニュアル/Solaris SPARC Private Cloud/クラウド移設計画以降をご覧下さい。