準仮想化ドライバー(PV Driver)のインストール
このページではインスタンス(仮想サーバ)のOSに、PV Driver(仮想化ドライバー)をインストールする手順を説明します。High Response Private CloudはXenベースアーキテクチャであるため、Xen、あるいはXCP-ngの、Xen-Toolsをインストールします。
PV Driverは、仮想マシンを処理を最適化するためのツールです。I/Oドライバーと管理エージェントで構成されており、PV Driverをインストールしない場合、High Response Private Cloudのハイパバイザでハードウェアをエミュレーションされ、インスタンスの中でハードウェアドライバが動作し、大きなボトルネックが生まれます。PV Driverがインストールされると、様々なIOアクセスでエミュレーションを迂回し、直接High Response Private Cloudのハイパバイザを経由してIOアクセスを行うため、パフォーマンスが大幅に向上します。
そのため、ゲストOSのインストール後に、仮想化ドライバーのインストールを必ず行ってください。
仮想化ドライバーがインストールされているか確認する
HOME画面の仮想マシンの一覧で、ゲストOSのアイコンがあるかどうかでわかります。
上の画像では、CentOSのアイコンが表示されている「テストサーバ1」には、仮想化ドライバーがインストールされています。
仮想マシンの詳細画面でも確認ができます。仮想化ドライバーがインストールされていない場合は、「General」タブに「No Xen tools detected.」と表示されます。
仮想マシンを新規作成後は、仮想化ドライバーがインストールされていないのでインストールしてください。
Linux(CentOS6,CentOS7)に仮想化ドライバーをインストールする
1.「Console」タブを開く
仮想化ドライバーをインストールする仮想マシンの画面を開き、「Console」タブをクリックして開きます。
2.インストールメディアを検索する
検索窓に「guest」と入力し、候補に出てきた「guest-tools.iso」をクリックします。
3.インストールメディアを選択する
「guest-tools.iso」が選択されました。
4.マウントする
/dev/xvdd をマウントします。マウントするディレクトリ(/mnt )に何もファイルがないことを確認し、下記のコマンドを管理者権限で実行します。
$ sudo mount /dev/cdrom /mnt/
5.仮想化ドライバーをインストールする
マウントしたディレクトリ(/mnt/Linux/)へ移動し、下記のコマンドでインストール用のシェルスクリプト「install.sh」を管理者権限で実行します。
$ cd /mnt/Linux/ $ sudo ./install.sh
6.完了
仮想マシンを再起動するとインストールが完了します。下記のコマンドでインストールされていることが確認できます。
$ rpm -qa | grep xe-guest
Windows系OSに、仮想化ドライバーをインストールする
Windows系の場合は、次の手順でドライバのインストールを行います。
- Snapshotを作成する
- PV DriverはOSの起動に関わるドライバとなるため、起動しなくなる状況に備えてスナップショットを取得します
-
- PV Driverがインストールされる前は「HVM」になっていることを確認します。
- これがPVHVMになっている場合、すでにPV Driverがインストールされています。
- Manage Citrix PV drivers via Windows UpdateがOFFになっていることを確認します。
- これがONの場合、Citrix製のPV Driverがインストールされ、PVHVMになっていると考えられるため、本インストール作業は不要です。
- PV Driverがインストールされる前は「HVM」になっていることを確認します。
- 下記サイトから、Windows PV Toolsをダウンロードします。
- IO Driverなどは必ずチェックし、指示に従ってインストールを行い再起動を行うと完了です。
- 再起動後には、VMのAdvancedから、PVHVMモードになっていることを確認してください。
Citrix製のDriverについて
Xenベースのクラウドや、オンプレミス基盤のCitrix Xen Serverから、Import機能でHRPCに移設したWindowsインスタンスは、「Manage Citrix PV drivers via Windows Update」を有効にすることで、動作することがあります。ほとんど問題が起こることはありませんが、XenOrchestraから管理エージェントが動作しない等、細かな問題が出ることがあります。
これを修正をしたい場合、まずはスナップショットを作成、Citrix PV Driverや管理エージェント類をすべて削除し、HVMモードで稼働できるように変更したのちに、「Manage Citrix PV drivers via Windows Update」をOFFに設定。上記の方法でインストールを行います。
この作業には何度かの再起動を伴い、都度、NICやストレージドライバが置き換わることにより、問題が起きる場合があるため、ご注意ください。