その動きを支える技術
足りない条件を自ら調べ、原文で確かめてから答える。
InfiniCloud AI のエンジン「SHIRAITO」と、それを支える仕組みを紹介します。
エンジン「SHIRAITO」が、質問から回答までをつなぐ
InfiniCloud AIの中核にあるのが、エンジン「SHIRAITO」です。トップページのストーリーで描いた動きを、技術の側から説明します。
多くのローカルLLMは「1回検索して答える」ところで止まっています。
SHIRAITOは、計画・収集・判定・検証の自律ループを回し、回答に必要な条件が揃うまで答えを確定しません。
進化の本質はモデルの大きさではなく、仕組みにあります。
Agentic RAG / EDTM(Evidence-Driven Thinking Mode)
1つの質問は、次の流れで処理されます。
- Planner:質問を分解する質問を、ゴールと収集タスクに分解します。たとえば「改定の内容」と「日当の金額」の2つのタスクに分けます。
- Gather/Reader:証拠を集める社内のRAG、Web検索、プラグインなどに振り分けて証拠を集め、要約して蓄積します。
- 情報の充足判定:足りないものを見つける回答に必要な条件が揃ったかを判定します。足りない条件があれば、Gap Analysis で不足を絞り込み、追加の調査タスクをつくって再検索します。
- Writer:証拠だけから書く集めた証拠だけをもとに回答を書き、文中の主張に証拠IDを埋め込みます。
- Verifier:原文で確かめる回答の主張を原文と突き合わせます。不備があれば前の工程に差し戻し、確かめられた回答だけを出典リンクつきで返します。
証拠が揃うまで答えを急ぎませんが、処理は必ず有限のステップで終わり、回答を返します。
Evidence Ledger(証拠台帳)/ Verifier
回答のすべての主張が、出典と結びつきます。
主張と証拠を対応づける
Writer は回答の文中に証拠レコードへの参照を埋め込みます。回答のどの部分が、どの文書のどの箇所にもとづくかが記録されます。
要約ではなく原文で検証する
証拠は「Writer 用の要約」と「Verifier 用の原文」の二層で保持します。原文で突き合わせるため、要約時の誤りまで検出できます。
利用者が根拠をたどれる
参照は出典リンクに変換され、利用者がその場で原文を確認できます。「なぜその回答か」を後から説明できます。
Deep Personalization
利用者の背景や継続的な文脈を、回答の条件として扱います。
利用者の役職や居住地などを、これまでのやり取りから記憶し、質問の意図まで読み解いて回答します。役職・組織属性などは、認証基盤や属性情報との連携も含め、正しい権限の範囲で参照します。同じ「ビジネスクラスって使っていいの?」という質問でも、尋ねた人によって適用される規程が変わります。
パーソナライズ機能を有効にした場合の動作です。
知能ドメイン / RBAC
部署や案件ごとに、AIを分離して統制します。
全社の文書を1つのRAGに混ぜず、1つの基盤の中に役割の異なる複数の「専門担当者」を定義します。検索の時点から、利用者がアクセスを許可された資料だけを対象にします。
| ドメインごとに管理できる項目 | 内容 |
|---|---|
| パーソナリティ | 役割・口調・禁止事項(ガードレール)を定義 |
| 知識の投入 | PDF・Word・Markdown・HTML・URLを投入(ZIPでの一括投入も可) |
| 知識の確認 | チャンク化された登録済みの知識を一覧で確認 |
| 知恵/学習 | 蓄積量に応じてファインチューニングを実行Enterprise Suite |
| アクセスと管理 | どのユーザー・グループが利用できるかを制御 |
RAG / Source of Truth
正しい一次情報を、正しく読んでから知識にします。
正本(SoT)を管理する
知能ドメインには、確認済みの一次情報だけを置く「正本」の領域があります。AIが作った成果物と正本を分けて管理し、旧版や重複した文書が混ざらない運用を前提にしています。回答に必要な箇所と原本とのつながりを保つことが、根拠つき回答の土台になります。
PDFを3つの方法で読み、突き合わせる
PDFは、テキスト層、ページ画像、画像からの読み取り(VLM・OCR)の3つの情報源で読み、互いに検証してから知識にします。崩れやすい表、図、縦書き、スキャンした文書も検索できる形に整えます。見えない白文字の除去や、本文を「命令ではなくデータ」として扱う隔離など、文書に仕込まれた指示への防御も備えています。
参照と定着を1つの基盤で
RAGで知識を参照し、良質な応答をもとにLoRAで知識をモデルに定着させる。この2つを同じ基盤で運用できます。Enterprise Suite
機能を広げる仕組み
Skills & Workflows
議事録の作成、フォルダの要約、新旧規程の差分表など、AIの使い方そのものを「部品」にして部署へ配布できます。実行前に必ず利用者が確認する human-in-the-loop の設計です。
Native プラグイン基盤
機能をプラグインとして追加できます。e-Gov 法令、e-Stat、J-STAGE、JVN など、公的・専門データベースを使う検索エンジンを設定できます。
MCP連携
外部のツールやデータと、MCPで連携できます。読み取り専用・管理者承認制で、呼び出し履歴は監査ログに記録されます。
OpenAI互換API
base_url を差し替えるだけで、既存のSDKや業務システムから呼び出せます。チャットUIを作り直す必要はありません。
AIコーディングエージェント対応
Codex、Claude Code などのAIコーディングエージェントから、自社の知能を呼び出せます。
ハーネス・エンジニアリング
ツール接続、権限制御、出力検証、自動リトライ、監査、状態管理。LLMを「使えるAgent」にするための周辺基盤を最初から備えています。
PoCで終わらせない運用機能
ローカルLLM+RAGでは個別に作り込むことになる領域を、基盤として装備しています。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| ユーザー・権限管理 | グループ・カスタムロール単位のRBACを管理画面で完結 |
| LLMプール・モデル切替 | 用途・ドメインごとにモデルを割り当て、入れ替え |
| RAG状態の監視 | 文書の取り込み・索引の状態を常に確認 |
| タスクログ・監査ログ | インポートやファインチューニングのジョブまで、操作を時系列で記録 |
| 知能ドメインの追加 | 部署・案件の増設を管理画面から展開 |
製品によって利用できる機能が異なります。詳しくは製品と機能の対応表をご覧ください。

